・ワイン発祥の地-ジョージア
ジョージア(旧:グルジア)は、東欧の南コーカサス地方に位置する小国。北はロシア、南はトルコとアルメニア、東はアゼルヴァイジャン、西は黒海と接しています。1991年にソビエト連邦から独立し、日本では2015年にロシア語読みの「グルジア」から、英語読みの「ジョージア」に変更となりました。最古のワイン造りは紀元前5000年頃との説が長年有力とされていましたが、2017年に米国、カナダ、デンマーク、フランス、イタリア、イスラエル、ジョージアの科学者からなる研究チームによって、ジョージアで発掘された約8000年前の陶器を科学分析したところ、世界最古のワイン醸造の痕跡が見つかりました。このことから近年、様々な科学者の研究により、ジョージアは「ワイン発祥の地」との説が有力となりジョージアのワインが注目となりました。
・ジョージアワイン
ジョージアのワインは伝統的なghvivili(クヴェヴリ)と呼ばれる卵型の底の丸い大きな素焼きの壷を用いる製法です。葡萄を入れ、土に埋めて発酵から熟成まで行うことで、酵母を入れることなく発酵が進み、琥珀色の独特なワインができます。この製造方法は2013年にユネスコ無形文化遺産に登録されています。ジョージアワインの主要産地は、葡萄栽培面積55,000haの約70%を占める東部の冷涼なカヘティと西部のイメレティという地方で造られています。500種を超える土着品種がありますが、主たる品種は白葡萄品種:ルカツィテリ、ムツヴァネ、黒葡萄品種:サペラヴィです。ジョージアワインは白葡萄の果皮や種と共に発酵するため、独特な琥珀色となり“オレンジワイン”と呼ばれ世界中に注目を集めています。ジョージアでは“アンバーワイン”と呼ばれています。
オレンジワインは白ワインより亜硫酸の添加量が抑えられるため、1998年、イタリア フリウリ州の自然派ワインの生産者ヨコス・グラヴナーによって復活されました。このワインが高い評価を受け、世界中のナチュラルワインの造り手により再興され、ジョージアのオレンジワインが世界的に拡がるきっかけとなりました。