山葡萄の学名:Vitis Coignetiaeヴィティス・コワニティ

山葡萄の起源

山葡萄の起源は古く、縄文時代の遺跡「三内丸山遺跡」(青森県)から多くの種が発見されたことから、1万年以前から食用、また発掘された土器からは葡萄酒としても飲まれていたと推察されています。古来より日本各地の野山に自生している日本固有のブドウで、古事記や日本書紀にも記述が残っており、日本人には太古から縁のある果実です。現在では、北海道から四国、特に東北に多く自生しており、地元農家では伝承的に「薬用酒」として、蜂蜜などを加えて珍重されてきた歴史的経緯があります。山葡萄の実は小粒で深い紫色、酸味が強いことが特徴です。

代表的な葡萄属(Vitis)

                            

山葡萄の特徴Ⅰ

通常、ブドウ栽培品種は雌雄が同株ですが、山葡萄は雌雄異株という特徴があります。その為、雌雄混植が不可欠となります。受粉は風媒(植物の花粉を風が運んで受粉を媒介する)ではなく、花アブや花蜂などによる虫媒となります。気象条件などによっては、雌株と雄株の開花時期が一致しない年もあり、人工授粉を行う場合もあります。また、寒冷地への耐性があり強い樹勢も特徴です。

山葡萄の特徴Ⅱ

明治32年、酒税法により自家醸造が禁止されるまで、長く伝承的に日本の農家で造られた葡萄酒は”長寿の酒”とされ滋養強壮に役立ってきました。近年、岡山大学と岩手大学による研究によって、山葡萄が一般的な葡萄に比較して、総ポリフェノールや鉄分が8~11倍と多く含まれることが、科学的にも明らかとなりました。    

日本山葡萄の複雑な生態系

山葡萄は日本における植物学上での分類では6種類が基種とされています。現実にはオス木とメス木による自然の受精及び人工の交配、また鳥類の行動によって基本種から亜種、変種などの誕生により混在し、複雑な生態をようしています。その複雑な背景の要因として次の3点があると考えられます。

1つ目の要因 鳥類の散蒔(ばらまき)

留鳥によって葡萄の種が運ばれる

国境を越えての山葡萄の複数の品種の誕生には鳥類が深く関わっています。北海道、本州など国内の留鳥のほか、サハリン、アムール・ウスリー、朝鮮(鬱陵島)と、海外に跨がり飛び交う渡り鳥の中には、山葡萄の実の甘味と酸味を好んで食す傾向があります。
食した後の糞に含まれる種子は、旅の途中や本来の棲息地の周辺に分散して落下します。落下地の気候風土に馴染んで発芽するという、いわば品種の確定が困難な、国籍不明の山葡萄が広がっていることが分かっています。また、山葡萄の成分が、他の加工用の葡萄や生食用の葡萄と比較して、渋みと酸味が強い理由の1つとして、一説には多量の渋みの成分が、鳥類の胃の中で作用し、軟弱な糞となり、この糞が山野のあちこちに散布、散蒔(ばらまき)しやすいのではないかと考えられているのです。

この生態による自然現象は、葡萄自体の種の維持、つまりクローンの拡大生長につながる生命力が、よほどの条件、例えば台風や流水、地震を除いて移動の不可能な”種子”が、空を飛び交う鳥類を利用しているのです。山葡萄の果実が、鳥を媒体として広域な大地に分布している事実は、植物と動物と大地での「生命(いのち)」の神秘を改めて理解できる事例です。


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ワインの国イタリアには500以上の土着品種があり、今も地域の風土に根付いたワイン造りを行い、地元の人々と深いかかわりを持っています。
身土不二(しんどふじ)という言葉があるように、私たちの身体と生きる場所の土は切り離すことはできません。土は身となり心を育てコミュニケーションを育みます。私たちの日本の各地に自生する山葡萄ワイン造りは、地域経済の活性化だけではなく、自然環境と共に生きる人々をつないでくれます。

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