検定実施日 11月12日(日)

【日本山葡萄ワイン検定の目的】

日本山葡萄ワイン検定は、日本の固有品種である山葡萄から成るワイン造りをより多くの人に知っていただくことを目的としています。目を向け理解を深めることが、文化・風土を育て、日本人の得意なモノづくりの技術を活かした、山葡萄ワインの向上につながることと願っています。


日本の国土の森林面積の割合は67%ですので、3分の2が森林ということになります。
そして山葡萄は古くから日本各地の山々に自生し、森の生態系の中で自然交配を繰り返してきました。明治34年に自家醸造が禁止されるまでの長い人々の営みのなかで、葡萄酒は滋養強壮の長寿の酒とされてきた長い歴史があります。その後、日本で山葡萄によるワイン造りが始まったのは昭和30年頃となります。

山葡萄ワイン造りは、地域の自然環境や人々との繋がりが強く、日本山葡萄ワイン検定を受験して頂くことで、この造り手の方々を応援し、自然保護や食について共に考え、都市と農地とを繋ぐ場となることと願っています。

ここ数年で山葡萄系ワイン造りを始める作り手さんが増えていますが、それでもまだ生産者も、またその情報も少ないのが現状です。この検定では愛好家として応援する人が増え、皆さまが繋がって頂くことで、山葡萄ワイン文化の深耕に寄与するための検定となることと思います。

※一般的なワインの知識についてはホームページ内で無料公開していますので合わせてご活用ください。

  ■山葡萄ワイン
 ・葡萄の分類
 ・原産地域による葡萄の四分類
 ・山葡萄の起源  
 ・民間療法としての”葡萄酒”
     ―科学的分析―              
 ・葡萄の語源 
 ・山葡萄の特徴  
 ・山葡萄の複雑な生態系  
 ・品種とその分布 
 ・風土に根ざした生育  
 ・野生ブドウの分布図  
 ・ワイン用山葡萄栽培の始まり
 ・幻となった山葡萄ワイン造り
 ・ワイン用山葡萄栽培
 ・日本の主な交配品種  
 ・日本葡萄愛好会の開発品種 
  ~山葡萄の父 澤登晴雄~
  ・山葡萄栽培の現状   
 ・国内ワイン流通量の割合 
 ・日本の山葡萄ワインの概況  
 ・山葡萄ワインつくりの工夫
 ・山葡萄ワインを造るワイナリー  
 ・山葡萄系ワインを製造する生産者

※オンラインでテキストをダウンロードして頂き、検定試験もオンラインでご自宅で受験出来ます。
※テイスティングはありません。

【受講資格】
山葡萄ワインを応援したい人。
インターネット環境とスマートホン、PC、タブレットのいずれかをご自身で用意できる方。
検定開始日に受験可能な方(オンライン受験 ご自宅などインターネット環境のある場所で受験可能です)

【推奨環境】
PC:Windows10 
推奨ブラウザ:Chrome最新版/Edge最新版/Firefox最新版 対応ブラウザ:ternet Explorer 11 (Windows10の  場合のみ対応) 非対応ブラウザ:Internet Explorer 10 Opera その他

PC:mac
推奨OS:mac11 BigSur~ 対応OS:macOS 10.15 Catalina  推奨ブラウザ:Chrome最新版 Safari最新版 Firefox最新版 非対応ブラウザ:Operaその他
 
iPhone(iPad)
推奨OS:iOS14/15 ※基本的に2世代以前のバージョンは非推奨です。 対応OS:iOS13 推奨ブラウザ:Safari最新版  対応ブラウザ:Chrome最新版 非対応ブラウザ:Opera Firefox Edge その他 
 
SmartPhone・Tablet 
推奨OS:Android 8.0~  対応OS:Android 5.0~ 推奨ブラウザ:Chrome最新版  非対応ブラウザ:Firefox Edge その他
 

検定問題】
問題数 全50問/60分 (四肢択一) 
 ※テイスティング問題はありません。

【キャンセルについて】
 テキストをご購入頂くことで検定の受験資格が得られます。テキスト購入後のキャンセルは出来ません。
 検定実施日に受験をされないと、不合格扱いとなりますが、受験をされない場合にもテキスト購入後の返金は出来かねます旨をご了承ください。

日本でもワイン造りは明治時代から開始されていました。しかしながら酸味が日本人の嗜好に合わず、またワイン製造に関する規定もない昭和の時代に人気となったワインは、甘味料とアルコールを添加した”甘味果実酒”でした。高度経済成長を得て、1980年後半からのバブル時代には、多くの日本人が海外へ渡り、ヨーロッパの伝統的なワインに触れる機会が増えました。輸入量も増加し国内でも高品質なワインが楽しめるようになり、食の趣向も多様化しました。本物のワインの素晴らしさが身近となったワイン愛好家による、日本ワインへの評価は「味が薄い」「香りがなく水っぽい」「(砂糖を加え)ワインではない」という残念な意見が多くあったことも事実です。

しかしながら、1990年以降から日本のワインは飛躍的な進化を遂げ続け、今では世界中で「エレガント」「繊細」との評価を受けるまでとなりました。その要因として、本場でワイン修行をした日本人が2000年代頃から日本に戻り、その技術と経験を日本のワイン造りに発揮しました。造り手によるトライ&エラーの積み重ねの結晶であり、ワインに携わる人々のたゆまぬ努力がありました。またボジョレ・ヌーボーや赤ワイン健康ブームを経て、消費者自身がワインについての見識を広げ育ったことも一因といえます。日本ワインが今も進化し続けている背景には、ワイン文化が日本に根付き、ワイン上級者の先輩も、若い世代の人々も、日本のワイナリーを訪ね、語り集い”日本ワイン”の発展を、消費者としてサポートしていることもあります。

 「甲州」は2010年に日本固有品種として初めて国際的機関「OIV」に登録されました。また、2018年からは輸入葡萄を使用し日本で製造される「国産ワイン」と、日本で栽培された葡萄を原料とする「日本ワイン」を区別し、品質とブランドを守る基準が適用されました。

ワインの国イタリアには500以上の土着品種があり、今も地域の風土に根付いたワイン造りを続け、地元の人々と深いかかわりを持っています。身土不二(しんどふじ)という言葉があるように、私たちの身体と生きる場所の土は切り離すことはできません。土は身となり心を育てコミュニケーションを生み出します。日本の各地に自生する山葡萄ワイン造りは、地域経済の活性化だけではなく、自然環境と共に生きる人々と都市の暮らしを繋いでくれます。

 

参考図書「見えてくる日本ワインの未来」